今回はよく使うCSSのプロパティについて解説をしていきます。
HTMLの書き方を覚えたあとは、HTMLにどのようなスタイル(装飾)を与えることができるか覚えていきましょう。
目次
実務でよく使用するプロパティ
CSSのプロパティは数多く存在します。
その中でも、実務でよく使用するCSSプロパティについて一緒に確認していきましょう。
color
colorプロパティは、テキストの文字色を指定することができます。
値には色を指定して使用します。
CSSでは、次の4種類の形式で色を指定することができます。他のプロパティでも色の指定を行うことがあるので、覚えておきましょう。
CSSでの色の指定
キーワード
「black」「white」「red」「blue」など、色名を直接指定する方法。
rgb
「red」「green」「blue」の3つの値を0〜255の数値で指定する方法。
rgba
rgbの値に4つ目の値に「alpha値」を指定する方法。
alpha値は、不透明度を表し、「0〜1」の数値で指定する。50%の不透明度にしたければ「0.5」と数値を指定する。不透明度が1(不透明)の場合は省略可能。
HEX値(カラーコード)
#を書いた後に、「red」「green」「blue」の値を16進数(0〜ff)で指定する方法。
alpha値を追加することも可能。「00~ff」の数値を指定する。100%の不透明度である1.0はffで指定する。
それぞれの値が同一の文字の場合、1文字に省略可能。例.「#ffffff」→「#fff」
colorプロパティの記述例
.example{
color: red;
color: rgb(255, 0, 0);
color: #ff0000;
}
4通りすべてが同じ赤色を示します。
font-size
font-sizeプロパティは、フォントの大きさを指定します。
値は、「数値+単位」で指定することができます。
CSSで指定する単位
CSSの値で数値を入力する際には、単位を付けます。
ここで、CSSを記述する際によく使われる単位について確認しておきましょう。
単位 | 説明 |
---|---|
px | 「pixel」のサイズで指定する |
% | 親要素のサイズに対しての割合を百分率で指定する 例. 親要素が16pxの場合、50%=8px |
em | 親要素のサイズに対する割合で指定する。 例.「%」と基本的には同じ考え方で、1em=100%、0.5em=50%となる。 |
rem | ルート(htmlタグ)に指定した文字サイズを基準とした相対的な指定する。 例.htmlに16pxを指定した場合、2rem=32px |
vw | ユーザーが利用している画面幅を100vwとする。「viewport width」の略。 例. 画面の横幅が1000pxの場合、10vw=100px |
vh | ユーザーが利用している画面幅を100vwとする。「viewport heigth」の略。 例. 画面の縦幅が1000pxの場合、10vh=100px |
font-sizeプロパティの記述例
.example{
font-size: 16px;
}
font-family
font-familyプロパティは、フォントの種類を指定することができます。
「sans-serif(ゴシック系)」「serif(明朝系)」「monospace(等幅フォント)」と系統・種類、様々なフォントがあります。
フォントの種類はwebサイトのデザインの雰囲気や見やすさに関わる部分なので、調節が必要です。
font-familyプロパティの記述例
.example{
font-family: 'Franklin Gothic Medium', 'Arial Narrow', Arial, sans-serif;
}
- フォント名動詞の間を「,(カンマ)」で区切って記述する
- 間に半角スペースを含むフォント名の場合は「’’(クオーテーション)」で囲む
- 左側に書かれたものが優先的に表示されるため、優先度の高い順に記述していく
font-familyの注意点
ユーザーが使用するPCのOSの違いによって、指定したフォントが存在しない場合があります。
例えば、Macにしかないフォントを指定した場合には、windowsではwebページでは表示できません。
ですので、基本的にフォントは複数指定し、ユーザーが閲覧するPCのフォントが出るように調節を行います。
font-weight
font-weightプロパティは、フォントの太さを指定することができます。
値の初期値は「normal」で、「bold」はよく使用されます。
フォントの種類にもよりますが、数値での指定も可能で、100〜900、100単位ずつの9段階で変化させることができます。値が700以上でboldになります。
font-weightプロパティの記述例
.example{
font-weight: bold;
}
line-height
line-heightプロパティは、行間(行の高さ)を指定することができます。
指定の方法は、主に2パターンあります。
数値 + pxで指定
決まった数値をpx単位で指定します。
数値 + em , % または 単位なし で指定
文字の高さ(フォントサイズ)に応じて行の高さを調整してくれます。
フォントサイズ20pxの場合、line-height: 2; で40pxに相当します。
line-heightプロパティの記述例
.example{
line-height: 2;
}
letter-spacing
letter-spacingプロパティは、文字同士の間隔を指定することができます。
初期値は「normal」で、letter-spacing: 0; の状態です。
pxでの指定も可能ですが、emを用いることがほとんどです。フォントサイズに応じて字間を変化させてくれます。
letter-spacingプロパティの記述例
.example{
letter-spacing: 0.5em;
}
text-align
text-alignプロパティは、インライン要素(文字や画像)に対して水平方向の揃え方を指定します。
アンダーライン付きテキスト
値 | 説明 |
---|---|
start | 表示領域の開始側(左側)に寄せる(初期値) |
left | 表示領域の開始側(左側)に寄せる = start |
center | 表示領域の中央に寄せる |
right | 表示領域の終了側(右側)に寄せる = end |
end | 表示領域の終了側(右側)に寄せる |
text-alignプロパティの記述例
.example{
text-align: center;
}
width
widthプロパティは、要素の横幅を指定します。
初期値は「auto」です。CSSでの指定がない限り要素の幅は自動で決まります。
単位には「px」や「%」、「vw(view width)」「vh(view heigth)」などを使用します。
widthプロパティの記述例
.example{
width: 50%;
}
height
heightプロパティは、要素の縦幅(高さ)を指定します。
初期値は「auto」です。CSSでの指定がない限り要素の幅は自動で決まります。
単位には「px」や「%」、「vw(view width)」「vh(view heigth)」などを使用します。
heightプロパティの記述例
.example{
height: 100vh;
}
width・heightプロパティの注意点
インライン要素(aタグやspanタグなど)にはwidth・heightの指定ができません。
width・heightの指定をしたい場合には、display: block;またはdisplay: inline-block;を予め指定しておく必要があります。
padding
paddingプロパティは、要素の「内側」の余白を指定できます。
要素自体の大きさを変えるものがwidthとheightでしたが、要素自体の大きさはあまり変えずに、自身の領域を広げたい時にはpaddingを使用します。
値は、「数値 + 単位」で記述し、単位には「px」「%」などを使用します。
paddingのショートハンドの指定方法
paddingプロパティの指定の方法によって、コードを書く量を省略することができます。
それぞれの記述の方法を確認していきましょう。
記述例 | 説明 |
---|---|
padding: 50px; | 値が1つのみ 上下左右に対し、一括で指定する |
padding: 50px 100px; | 値が2つ 1つ目の値が上下、2つ目の値が左右を指定する |
padding: 50px 100px 30px; | 値が3つ 1つ目の値が上側、2つ目の値が左右、3つ目が下側を指定する |
padding: 50px 100px 30px 100px; | 値が4つ 1つ目の値が上側、2つ目の値が右側、 3つ目が下側、4つ目が左側を指定する (上から時計回り) |
一部のみのpaddingの指定方法
paddingプロパティは、指定したい方向のみを記述する方法があるので、こちらも確認しておきましょう。
プロパティ | 説明 |
---|---|
padding-top | 要素の上側のpaddingを指定する |
padding-right | 要素の右側のpaddingを指定する |
padding-bottom | 要素の下側のpaddingを指定する |
padding-left | 要素の左側のpaddingを指定する |
paddingプロパティの記述例
.example{
padding-top: 10px;
padding-right: 20px;
padding-bottom: 30px;
padding-left: 40px;
}
次のように記述することで、marginを上下左右に一括で指定することが可能です。
.example{
padding: 10px 20px 30px 40px;
}
border
borderプロパティは、要素の周りに線をつけることができます。
borderに関するプロパティ
指定できるプロパティは以下の通りです。
プロパティ | 説明 |
---|---|
border-width | 線の太さを指定する |
border-style | 線のスタイルを指定する。 solid(直線) dotted(点線) dashed(破線) double(二重線) などの指定が可能 |
border-color | 線の色を指定する |
borderプロパティの記述例
.example{
border-width: 2px;
border-style: solid;
border-color: gray;
}
borderプロパティのショートハンド
次のような書き方で、上記のborderに関するプロパティを、一括で指定することが可能です。
.example{
border: 2px solid gray;
}
一部のみのborderの指定方法
borderプロパティもpaddingプロパティと同様に、一部のみに指定することが可能です。
プロパティ | 説明 |
---|---|
border-top | 要素の上側のborderを指定する |
border-right | 要素の右側のborderを指定する |
border-bottom | 要素の下側のborderを指定する |
border-left | 要素の左側のborderを指定する |
border-radius
border-radiusで、要素の4つ角に丸みをつけることができます。
単位には「px」や「%」を使用します。
border-radiusプロパティの記述例
.example{
border-radius: 10px;
}
4つ角に半径10px分の丸みがつきます。
次のように記述することで、4つの角にそれぞれ別の大きさの丸みを付けることもできます。
.example{
border-radius: 10px 20px 30px 40px;
}
始めの値から、時計回りで左上→右上→右下→左下という順で指定されていきます。
border-radiusプロパティので正円を作る
正方形の要素に対して、border-radius: 50%;と記述することで正円を作ることが可能です。
.example{
width: 100px;
height: 100px;
border-radius: 50%;
}
margin
marginプロパティは、要素の「外側」の余白を指定することができます。
隣の要素と距離を取りたい場合や中央寄せをする際に使用します。
値は、「数値 + 単位」で記述し、単位には「px」「%」などを使用します。
marginのショートハンドの指定方法
paddingプロパティと同様に、余白の指定の方法によってコードを書く量を省略することができます。
それぞれの記述の方法を確認していきましょう。
記述例 | 説明 |
---|---|
margin: 50px; | 値が1つのみ 上下左右に対し、一括で指定する |
margin: 50px 100px; | 値が2つ 1つ目の値が上下、2つ目の値が左右を指定する |
margin: 50px 100px 30px; | 値が3つ 1つ目の値が上側、2つ目の値が左右、3つ目が下側を指定する |
margin: 50px 100px 30px 100px; | 値が4つ 1つ目の値が上側、2つ目の値が右側、 3つ目が下側、4つ目が左側を指定する (上から時計回り) |
一部のみのmarginの指定方法
paddingプロパティと同様に、一部のmarginのみの指定も可能です。
プロパティ | 説明 |
---|---|
margin-top | 要素の上側のmarginを指定する |
margin-right | 要素の右側のmarginを指定する |
margin-bottom | 要素の下側のmarginを指定する |
margin-left | 要素の左側のmarginを指定する |
.example{
margin-top: 10px;
margin-right: 20px;
margin-bottom: 30px;
margin-left: 40px;
}
次のように記述することで、marginを上下左右に一括で指定することが可能です。
.example{
margin: 10px 20px 30px 40px;
}
marginプロパティで「ブロック要素」を中央寄せする
インライン要素に対しての中央寄せはtext-align: center;で指定しました。
ブロック要素(divタグやpタグなど)に関しては、次のように記述することで、中央寄せをすることができます。
.example{
margin: 0 auto;
}
overflow
overflowプロパティは、「親要素」からはみ出た「子要素」の部分をどのように処置をするかを指定することができます。
overflowプロパティの初期値は、「visible」で親要素からはみ出た子要素があった場合には、そのままはみ出して表示されます。
その他の値については、以下のような値とふるまいになります。
値 | 説明 |
visible | はみ出した要素をそのまま表示させる |
scroll | はみ出した要素が非表示になるが、スクロールして内容を確認できるようにする |
hidden | はみ出した要素を完全に非表示する(スクロールによる確認は不可) |
auto | 必要に応じて「scroll」と同じ処理をする |
overflowプロパティは、以下の記事でより実践的な詳しい解説していますので併せてご覧ください。
box-shadow
box-shadowプロパティは、要素に影(ドロップシャドウ)をつけることができます。
以下のように記述していきます。
box-shadowプロパティの記述例
box-shadowプロパティは値を6つ指定することができます。
それぞれの値の意味を理解して使用するようにしましょう。
.example{
box-shadow: ①px ②px ③px ④px ⑤ ⑥;
}
①影の左右の向き(正の値:右方向 負の値:左方向)
②影の上下の向き(正の値:下方向 負の値:上方向)
③影のぼかし
④影の広がり(正の値:影の拡大 負の値:影の縮小)
⑤影の色
⑥「inset」と記述することで内側に影がかかる
①②の値のみの指定で、ぼかしのない影をつけることができます。
background
backgroundプロパティは、背景に関するスタイルを指定することができます。
backgroundに関するプロパティ
指定できるプロパティは次の通りです。
プロパティ | 説明 |
---|---|
background-color | 要素の背景色を指定する |
background-image | 要素の背景画像を指定する。 |
background-repeat | 背景画像の繰り返しについて指定する |
background-position | 背景画像を表示する水平・垂直位置を指定する |
background-attachment | スクロールした際の背景画像の表示方法を指定する |
background-clip | 背景画像を表示する領域を指定する |
background-size | 背景画像の表示サイズを指定する |
background-origin | 背景画像を表示する基準位置を指定する |
backgroundプロパティの記述例
.example{
background-color: #ff0;
background-image: url(../img/sample.jpeg);
background-repeat: no-repeat;
background-attachment: fixed;
background-position: center top;
background-size: cover;
}
backgroundプロパティのショートハンド
backgroundプロパティは上記のようなプロパティを別々に記述する方法以外にも、ショートハンドと呼ばれる省略した記述の方法が存在します。
上記のコードをbackgroundプロパティのショートハンドを用いて、一括で指定すると次のようになります。
.example{
background: #ff0 url(../img/sample.jpeg) no-repeat fixed center top / cover;
}
それぞれのプロパティ値を半角スペースで区切り、任意の順番で記述することが可能です。
background-sizeプロパティは、background-positionプロパティの値の後に「/(スラッシュ)」を書いてから指定することに注意しましょう。
object-fit
object-fitプロパティは、画像等をボックスにどうはめ込むかを指定することができます。
object-fitプロパティの初期値は、「fill」でボックスサイズに合わせて縦横比を維持しないで、画像が足りない部分は引き延ばされ、余る部分は縮まれるようにリサイズされます。
基本的な使い方としては、画像を好きな大きさにトリミングしたいときに使用します。
object-fitプロパティの記述例
<img src="zeroplus.png" alt="ZeroPlus塾長" />
img {
width: 400px;
height: 400px;
object-fit: cover;
}
img要素にトリミングをしたいサイズとしてwidthとheightを指定した上で、object-fit: coverを加えることで指定した大きさで画像をトリミングすることができます。
object-fitプロパティの値
値 | 説明 |
fill | ボックスサイズに合わせて縦横比を維持せずリサイズして、全体が見えるようにはめ込む |
contain | ボックスサイズに合わせて縦横比を維持したままリサイズして、全体が見えるようにはめ込む |
cover | ボックスサイズに埋まるように縦横比を維持したままリサイズして、トリミングしてはめ込む |
none | リサイズをせずに、トリミングしてはめ込む |
scale-down | ボックスサイズより画像が大きい場合はcontainを、小さい場合はnoneのふるまいが適用される |
object-positionプロパティ
また、object-fitと併せて使うプロパティとして、object-positionもあります。
object-positionプロパティは、object-fitを指定した画像のどの部分を見せるかを指定することができます。
object-positionプロパティの初期値は「50% 50%」で、つまり上下左右中央部分が表示されます。
.example {
object-position: [左右] [上下];
}
このように「左右」「上下」を指定します。
値としては、数値もしくは「top」「right」「bottom」「left」を指定することができます。
position
positionプロパティは、要素の「位置」を決めることができます。
positionプロパティは、以下の記事で詳しく解説していますので併せてご覧ください。
Flexbox
CSSには、Flexboxと呼ばれるレイアウトの指定方法があります。
Flexboxに関して、以下の記事で詳しく解説していますので併せてご覧ください。
プロパティはまだまだ存在する
今回はweb制作を行う上で、よく使うCSSのプロパティの解説をしました。
サイトを作成する上で欠かせないプロパティばかりなので、しっかりと学習をして使いこなせるようになりましょう。
今回紹介したプロパティ以外にも、まだまだプロパティは存在します!
知っているプロパティの数が多いほど様々なwebサイトのデザインを表現することができるようになります。
1つずつ知っているプロパティを増やしていくことが大切です。
継続して勉強を続けましょう!