新型コロナウィルスの拡大やAIの発達、物価の高騰など社会の急激な変化により、将来性の危うい業界が増えています。なるべく安定した業界に転職したいですが、どの業界が安定しているのか判断しづらいところがありますよね。
そこでこの記事では、安定している業界を7種類に厳選して紹介します。また安定性の高い業界に見られる特徴についても解説しているため、本記事で紹介していない業界についての安定性を分析する目も養えます。
- 安定している業界へ転職したい人
- 安定している業界の特徴を知りたい人
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目次
安定している業界に見られる3つの特徴
安定している業界に見られる特徴を紹介します。
給料が安定しており昇給の機会もある
安定しているとされる業界は、毎月得られる給与が高いだけではなく、収入が安定している傾向にあります。
たとえ高い給与が見込まれる職種であっても、得られる金額が成果に依存している場合には「安定している職種」とはいえません。たとえば歩合制の営業や個人事業主などは、仕事の成果によって得られる収入が極端に増えたり減ったりします。
一方、安定している業界では、毎月の収入にアップダウンが少ないうえに、昇給の機会も豊富です。毎年、基本給がベースアップする仕組みがあったり、昇進に合わせて給与が高くなったりするため、勤続年数が長くなるごとに、生活の安定感が増すわけです。
社会的な変化に強く、常に一定の需要がある
安定している業界は、社会的な変化に強く、常にサービスや商品に一定の需要があります。社会的な変化とはテクノロジーの進化や市場ニーズの変化、景気の動向、自然災害やパンデミックなどを指します。
たとえば新型コロナウイルスの流行時は、業界によって明暗が分かれました。ロックダウンの影響により、外食産業や旅行業界などでは需要が著しく減少して大きな打撃を受けた一方で、医療業界の需要は急増しました。
IT業界もコロナ禍を機に業績を伸ばした業界の一つです。さまざまな業界が業務の見直しの一環としてデジタル化を進めるようになり、リモートワークやオンラインプラットフォームの普及が進んだ点が背景にあります。
このように社会の変化に柔軟に対応でき、一定の需要のある業界は安定していると評価できます。
将来に役立つスキルを磨ける
安定している業界では、将来に役立つスキルを磨ける機会が豊富です。
どれだけ安定している業界に就職できても、リストラや倒産のリスクはゼロではありません。仮に再び転職が必要になっても役立つスキルを身につけておけば、次の仕事を見つけやすくなるのです。
転職に役立つスキルの代表例には、コミュニケーションスキルやマーケティングスキル、ITスキルなどがあります。
安定している業界では、研修制度が用意されていたり副業が推奨されていたりと、スキルを磨く場が豊富なため、リストラや倒産など不測の事態への準備が万全になります。
プライベートを大切にできる
安定している業界では、リモートワークやフレックスタイム制度が導入されており、プライベートを大切にできる環境が整っている傾向にあります。
たとえ高収入でも、過度な残業や休日出勤が常態化してしまっていると健康が損なわれます。
一方、ワークライフバランスが取れる業界に就職することで、家族との時間を大切にしたり、ジムに通って体力を養ったり、あるいは副業に取り組んで稼いだりすることもできます。
つまり安定している業界への就職を通じて、精神的にも経済的にも自分を豊かにしていくための時間を持てるわけです。
安定している業界7選
この章では、安定している業界を7種類に厳選して紹介します。
- 食品メーカー
- 医療業界
- 製薬業界
- インフラ系企業
- 公務員
- 政府系金融機関
- IT業界
1．食品メーカー
食品メーカーは、「食」という身近なテーマを扱うなじみやすさと充実した福利厚生によって、就職や転職市場で人気のある業界です。昇給の機会も多く、10年、15年と務めることで年収が1000万円を超えるケースも珍しくありません。
コロナ禍により業務用食品の需要は減少しましたが、一般消費者向けの食品の巣ごもり需要が発生しました。そのため食品業界は、コロナ禍の影響は比較的緩やかだったといえます。
また現在、食品業界は少子高齢化に伴う国内市場縮小の問題に直面しています。一見逆境とも呼べる状況にあるわけですが、食品メーカーはアジアの新興国を中心とした日本食ブームに乗じて、海外進出に力を入れ業績を伸ばしている状況です。
このように食品メーカーは社会の変化に対する柔軟性が高く「安定した業界」といえます。
食品メーカーに就職するために必要な資格はありませんが、人気業界のため競争が激しい面があります。また口にするものを扱うため、安全管理を厳格に遵守する必要があります。こうした観点から、誰にでも向いている業界とはいえず、ルールを守る意識がとりわけ強い人向けの業界です。
2． 医療業界
医療業界は人々の健康を守るために不可欠な業界です。高齢化の進行に伴い、医療業界の需要は今後さらに高まると予測されます。
AIを使った診断・処方など、デジタル化が進んでいる業界の一つですが、医師や看護師の需要が少なくなるとは、今のところ考えづらいところがあります。
適切な医療を提供するためには、患者と密にコミュニケーションを取り、信頼関係を築くことが不可欠だからです。こうした役割は、AIでは代替できません。
またミスが許されない業界のため、AIに一部の業務を任せたとしても、最終チェックは人間が責任を持って実施する必要があるのです。これらの観点から、今後も人間の仕事の需要がなくならない業界と予測できます。
ただし医療業界は、ワークライフバランスが取りづらい可能性があります。
週に60時間以上働く医師の割合は、男性41％、女性28％にも上ります*¹。全労働者一人当たりの平均勤務時間は38時間49分とされており*²、比較すると医師の勤務時間の長さが際立っています。
医師に限らず、医療業界では勤務がハードになりがちな職種が多いため、プライベートの時間を重視する人には合わないかもしれません。
*¹ データ引用：厚生労働省「医師の勤務実態調査」
*² データ引用：厚生労働省「労働時間制度」
3．製薬業界
製薬業界は、薬の製造・販売や、新薬の研究・開発を行っている業界です。病気にかからない人はいないため、医療業界と同様に常に安定した需要があります。
製薬業界は給与面が安定しているうえに、ワークライフバランスが重視されている業界です。フレックスタイム制や長期休暇制度が多くの企業で導入されており、働きやすい環境が整っています。
ただし製薬業界への就職は、ハードルが高いところがあります。
特に開発職・研究職については、理系出身であることが必須です。文系出身者向けには営業職（MR）や事務職もありますが、そもそも求人数が少なく人気も高いため、狭き門といえます。
4．インフラ系企業
インフラ業界は、ガス・水道・電気・道路・公共交通機関など、生活に不可欠なエネルギーやサービスを提供する企業で構成されている業界です。需要が非常に安定しており、景気による影響を受けづらいところがあります。
社会情勢の変化により、業績が悪化することがないわけではありませんが、国から救済されるケースも多く、倒産のリスクが低い特徴もあります。福利厚生が手厚かったり、残業が少なくワークライフバランスを保ちやすかったりとホワイト企業が多い点も魅力です。
研究・開発から営業、事務、公共交通機関の客室乗務員まで職種は幅広く、文系・理系問わずに就職のチャンスがあります。
ただし就職・転職市場での人気は高く、競争の激しい業界です。「ガス主任技術者」や「電気主任技術者」など、目指す分野に対応した資格を取得することで、就職を有利に進められる可能性はあります。
5．公務員
公務員は「安定」の象徴ともいえるような職種です。公務員には地方自治や福祉施設、図書館の職員や警察官、消防官、教員などが含まれます。
民間企業のようなリストラ・倒産のリスクがほとんどなく、年齢が上がるにつれて給料が増えるため、安定した人生設計が行えます。
ただし公務員が業務を通じて、将来に役立つような資格やスキルを習得するのは難しい場合があります。また副業も認められていません。よって公務員から他の業界へのキャリアチェンジは難しくなる可能性があります。
なお公務員になるためには公務員試験に合格する必要があります。公務員試験の受験には年齢制限が設けられており、国家公務員は30歳まで、地方公務員は地域により異なり、30〜35歳までです。
6．政府系金融機関
政府系金融機関は、新しい産業の育成や既存産業の競争力強化、中小企業の支援などを目的とした融資を行う機関です。主な政府系金融機関には、日本政策金融公庫（JFC）や日本政策投資銀行（DBJ）などがあります。
昨今、民間銀行は経営難におちいるケースも多く不安定な状況ですが、政府系金融機関は政府からの資金提供を受けているため、倒産リスクが低く安定性が高いのが特徴です。
初任給はとりわけ高くはありませんが勤続年数に応じた昇給の金額が大きいため、長く勤めることで、メガバンクに匹敵する給与水準に達するといわれています。
ただし、求職者に非常に人気がある業界のため、採用にあたっては学歴重視の傾向にあります。なおかつ店舗数が限られているため競争が激しくなりがちで、採用されるまでのハードルは高い傾向です。
7．IT業界
IT業界は経済全体を牽引する重要な役割を果たす業界です。
AI、IoT（モノのインターネット）、クラウド技術など、IT業界の提供する技術はあらゆる産業に使われており、業務効率の向上に貢献しています。そのため、IT関連の職種の需要は非常に安定しているのです。またリモートワークの普及により他の業界に比べて柔軟な働き方ができるため、ワークライフバランスが取りやすい面もあります。
さらにはIT業界では人材不足が深刻化しており、2030年までに約79万人のIT人材が不足すると試算されている状況です。
IT業界は人気の業界ではあるものの、それを上回る人材の需要があるため、比較的転職にチャレンジしやすい環境が整っています。
将来性が不安な業界・職種6選
ここまで安定している業界を紹介してきました。
併せて将来性の不安な業界・職種についても理解しておくと、今どこの業界に転職すべきかを見極めやすくなります。
ここでは現在、特に将来性が不安視されている業界や職種を6種類紹介します。
将来性が不安な業界3選
将来性が不安な業界を3種類紹介します。
1．印刷業界
印刷業界は事務印刷や製本印刷、商業印刷など、さまざまな分野で市場が縮小している業界です。
なかでも製本印刷は縮小の流れが顕著な分野です。電子書籍の需要が増加しており、紙の書籍・雑誌の販売数が著しく減少している状況にあります。
またコロナ禍の影響に伴うリモートワークの普及により、事務印刷の分野では事務用品や名刺などの需要が減少しました。また大規模なイベントの中止に伴い、パンフレット・カタログの発行数も大きく減っています。
デジタル化の進展とコロナ禍により印刷業界は市場が著しく縮小し、将来性が危ぶまれているのです。
2．保険業界
保険業界の将来性が危険視される要因はいくつかあります。
ひとつは市場規模の縮小です。少子高齢化により、若年層の新規契約の獲得が難しくなってきています。
もうひとつは、損害保険の分野を中心とした収益の悪化です。地震や台風など自然災害の増加により、保険金の支払いが大きな負担になっている点が挙げられます。
こうした中、コストカットのためのリストラが進んでおり、保険営業やカスタマーサポート、事故受付センターなどの業務を、AIに代替させる動きが強まっています。
現在保険業界では、市場規模の縮小と保険料の支払い増加という二重の苦境に直面し、リストラを実行する流れが強まっているため、将来性に不安のある業界といえるのです。
3．外食産業
外食産業はコロナ禍における巣ごもりやロックダウンなどを背景として、閉店が相次いだ業界です。また近年は、物価の高騰に賃金の上昇が追いつかず、節約志向が高まっている点も業界に打撃を与えています。
ホットペッパー「ホットペッパーグルメ外食総研」が2023年末に実施したアンケートによれば、節約を意識している出費として、約4割の人が「外食の費用」と回答している状況です。物価高の傾向が短期で解消するとは考えにくい点も、外食産業の将来性に暗い影を落としています。
また、外食産業はAIの活用が進む業界です。席案内・受注・配膳・会計などホールの仕事全般がAIに代替され始めています。調理業務も機械が全て担当する時代が来るかもしれません。
物価高騰やAIの活用による人員削減が進んでいる外食産業もまた、将来の安定性に不安を抱える業界です。
将来性が不安な職種3選
次に将来性が不安な職種を3種類紹介します。
1．オペレーター
オペレーターは顧客からの電話応対や問い合わせ対応、データ入力などの業務を行う職種です。
オペレーターの将来性が無いとされる理由として、自動応答システムやチャットボットといったAI技術の導入が進んでいる点が挙げられます。
AIツールのメリットは、顧客からのかんたんな問い合わせに人間が介入せずとも対応できる点です。労働時間の概念がないため、24時間365日体制で顧客対応ができる点も人間のオペレーターと比較して、アドバンテージになります。
よってオペレーターの必要な局面が、複雑な判断を要する案件に限られてきており、需要が減少傾向にあるのです。
2．郵便配達員
郵便配達員の将来性が危惧される主な理由は、オンラインツールの発達によるものです。
企業や個人間のコミュニケーションがオンライン上で行われるようになり、手紙によるやり取りは大幅に減少しています。またオンライン請求や電子決済の利用拡大も、郵便の利用頻度減につながっている状況です。
こうした背景が郵便配達の需要減に直結しており、配達員の将来性が危ぶまれる状況につながっています。
3．検針員
検針員は住宅やビルなどで使用される水道・ガス・電気といった公共サービスのメーターを読み取り、消費量を記録する職種です。
検針員の将来性が問題視されている理由は、スマートメーターの普及により、人手によるメーター読み取りの必要性が減少していることにあります。スマートメーターは消費量を自動で収集し、オンラインで電力会社や水道局にデータを送信できるため、検針員が住宅を訪問する必要は減ってきています。
将来性の低い業界・職種まとめ
将来性の低い業界・職種の特徴は社会の変化により市場のニーズが減少傾向にあったり、AIに代替される傾向にあったりします。
今後、キャリアチェンジを検討するうえでは、目指す業界がこうした特徴に当てはまらないかどうか、チェックすることが重要になってくるわけです。
なお、当メディアの以下の記事では将来性が危ぶまれる職種や業界をさらに多数紹介しています。
今後、転職を目指す業界を定めていくうえで、ぜひ参考にしてください。
安定した業界への就職はハードルが高い傾向にある
ここまでを読んで既にお気づきかもしれませんが、安定した業界の共通点として「就職のハードルが高い」傾向にあります。人気の業界のため競争が激しかったり、離職率が低いため求人数自体が少なかったりするためです。
そのため「転職を目指すのは難しそう」というのが本音ではないでしょうか？そのような気持ちを抱くあなたにZeroPlus Mediaでは、IT業界への挑戦をおすすめします。
安定した業界の中でもIT業界がおすすめできる4つの理由
この章では、安定した業界のなかでもIT業界をすすめる理由を4つ紹介します。
1．未経験者でも挑戦できる
IT業界には専門性の高いイメージがあるため「未経験者の挑戦する余地がなさそう」と言ったイメージを持っているかもしれません。しかし、前述の通り日本のIT業界では人材不足が深刻化しているため、未経験でもチャレンジできる可能性が十分にあります。
以下は経済産業省が発表した「IT人材の供給動向の予測」に関するデータです。
データによると2030年には、およそ60〜79万人のIT人材が不足すると試算されています。実のところ、人材不足の対策として、未経験者向けの研修制度やインターンシップを取り入れている企業も増えています。
またプログラミングスクールやオンライン学習サービスなど、自身でITスキルを習得するための手段も豊富です。これらのサービスを活用すれば、IT業界で働くために必要な知識と技術を効率的に習得できます。
IT業界では人材不足を背景として、未経験者が挑戦しやすい環境が整っているわけです。
2．文系出身でも挑戦できる
「IT業界 ＝ 理系の人向けの仕事」といった固定観念をお持ちかもしれませんが、文系でも挑戦できる職種は存在します。たとえばWebデザイナーやWebマーケターなどの職種ならば、文系の知識が活かせる可能性もあります。
理系のイメージが強いエンジニアやプログラマーについても、プログラミングスクールで正しいITスキルを習得すれば、文系出身者でも挑戦できる余地はあるものです。
3．女性も活躍できる
またIT業界は、リモートワークをはじめとして柔軟な勤務体系の導入が進んでおり、女性の活躍できる環境が整っている業界です。家庭と仕事との両立を図りやすく、結婚や育児などによりライフスタイルが変化してもキャリアを継続しやすい面があります。
以下は、リクルートが発表した「女性エンジニア転職者数の推移」のデータです。
出典：リクルート「STEM 領域における女性エンジニアの転職動向と働き続けるためのポイント『リクルートエージェント』データ分析」
データによれば2022年の女性エンジニアの転職者数は、2009-2013年の平均転職者数の6.22倍にも増加しており、女性が挑戦しやすい環境が整ってきている様子がデータに現れています。
4．AIに代替されにくい
IT業界はAIに代替されにくいと予測されます。
たとえばソフトウェアを開発する際には創造性が問われます。またテクノロジーの導入を通じて、顧客の抱える課題を解消する際には問題解決力が求められます。さらにプロジェクトを進めていくうえでは、チームのメンバーや顧客とのコミュニケーションが不可欠です。
このようにIT業界で業務を進めるうえでは、人間の持つ創造性や問題解決能力、コミュニケーションスキルが重要とされるため、AIに代替されづらい分野と判断できます。
IT業界において将来性の高いとされる職種3選
この章では、IT業界において将来性が高いとされる職種を3種類紹介します。
1．ITエンジニア
ITエンジニアはITスキルを生かしてシステム開発や運用、保守などを行う職種です。インフラエンジニアやITエンジニア、開発系エンジニアなど開発する対象の違いによってさまざな職種があります。
昨今、企業の競争力を高めるための選択肢として、あらゆる業界でデジタルツールやAIの導入が進んでいます。これを受け、必要なソフトウェアを開発・運用するITエンジニアの需要は、増加している状況にあるのです。
ITエンジニアはプログラミングスキルに加え、コミュニケーション能力や論理的思考力など、求められるスキルの幅が広い職種です。
未経験向けの求人もあり今後も需要が増え続けることが予測されるため、挑戦する価値のある仕事といえるでしょう。
2．Webデザイナー
Webデザイナーは、Webサイトやアプリケーションのデザインを作成する職種です。
Webデザインの分野ではAIツールの活用が進んでおり、かんたんなWebサイトならば自動生成できる時代が到来しています。こうした背景から「AIに代替されてしまう職種なのでは？」と思うかもしれません。
確かにAIの活用によってWebデザインの仕事の一部を自動化できるかもしれません。しかし、Webデザイナーの業務全体を見ると、今後も人間の能力が不可欠な分野であることがわかります。
Webデザイナーの仕事は単に見栄えの良いサイトを作ることではなく、集客や売上の向上など顧客の抱える課題を解決することです。
そのため顧客へのヒアリングを通じて、課題を正確につかむコミュニケーション能力が欠かせません。また抽出した課題を解決に導くためには、発想力や問題解決力、表現力といったクリエイティブ力が必要とされます。
コミュニケーション能力やクリエイティブ力は人間特有の能力のため、AIでは代替が効きません。そのためWebデザイナーの仕事がAIによって完全に奪われることはないといえるのです。むしろAIツールを活用しつつクリエイティビティの発揮に集中できる、Webデザイナーの需要は今後も高まっていくと予測できます。
3．Webマーケター
Webマーケターは、インターネットを介してマーケティングを行う職種です。
企業の認知度向上や顧客獲得、売上アップを目指すために、Web広告を出稿したりSNSを運用したりします。出稿されたWeb広告や、公開されているWebサイトの効果を分析し、改善策提案をすることもマーケターの重要な役割です。
Webマーケティングの分野では、AIの進化によりデータ収集や分析作業が自動化されるようになっています。しかし、依然としてWebマーケターの需要が減少することはないでしょう。
AIは短時間に膨大なデータを収集し、顧客の行動パターンを高い精度で分析してくれます。一方、マーケターはAIの集めたデータをもとに行動の裏にあるユーザーの感情や動機を考察し、マーケティング戦略の立案へ注力できるようになります。
つまりWebマーケターにとってAIは強力なパートナーとなり得るわけです。
昨今、様々な業界でWebを活用した販売戦略が重要な位置付けにあります。AIツールの発達が追い風となりWebマーケターの業務効率とクオリティがアップすれば、需要はますます高まると予測できるのです。
IT業界に転職する際に準備すべきこと
IT業界は人材が不足しているため、未経験者でも挑戦できる余地のある業界です。とはいえ何の準備もなく、キャリアチェンジを果たせるほど甘い世界ではありません。
IT業界の未経験者向け求人は、全くの未経験者ではなく実務未経験を指すケースがほとんどです。事前にある程度のITスキル・知識は備えておく必要があります。
そこでこの章では、IT業界への転職を目指すうえで準備すべきことについて紹介します。
目指す職種を定める
一言にIT業界といってもさまざまな職種があるため、IT業界へ挑戦するための起点としてどの職種で働きたいのか明確にすることをおすすめします。目指す職種によって、事前に習得すべきスキルや知識は異なるためです。
ITエンジニア専門の就活支援サービス「レバテックルーキー」様の記事「【徹底解説】IT業界にある全18職種一覧｜年収やキャリアパスも紹介」では、IT業界の職種を一覧にして紹介してくれています。
上記のような記事を読み、まずは自分がどの職種を目指していきたいのかを定めていくことをおすすめします。
ITスキルの自主的な習得
前述の通りIT業界の未経験者向け求人は、全くの未経験者ではなく実務未経験を指します。全くスキルのない状態で求人に申し込んでも、採用される可能性は低いでしょう。よってIT業界に挑戦する際には、事前に自らITスキルを身につけることが必須です。
オンライン学習サービスやプログラミングスクールを活用すれば、効率的に必要なスキルを習得できます。有名なオンライン学習サービスには、Progate（プロゲート）やドットインストールなどがあります。これらは、IT未経験者が手軽にプログラミングの基礎を学べるサービスです。自分のペースで学習を進めやすいため、スキマ時間を活用して柔軟にスキルアップに励めます。
Progateとドットインストールの違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。
プログラミングスクールでは、実践的なカリキュラムを通じて、実際の現場で求められる水準のスキルを習得できます。またエラーを解消するための考え方や、上司への質問の仕方など、身につけておくべきIT業界特有の視点も得られます。
またオンライン学習サービスとは異なり、スクールでは個別のメンタリングやキャリアサポートなど、未経験からIT業界への転職を目指す人にとって有益なサービスが充実しています。
IT業界へのキャリアチェンジを成功させるためには、これらの学習手段を上手く活用し、スキルを習得していくことが欠かせません。
ITに関する資格の取得
IT業界への転職を目指すうえで自主的なスキルの習得と並び、関連する資格の取得もおすすめできます。資格の保有により、ITに対して一定の知見を持っていることを、採用担当者へアピールできるからです。
たとえばIT業界で働くうえでの基礎知識を有していることを証明する国家資格として「情報処理技術者試験」や「基本情報技術者試験」が広く認知されています。また「AWS認定資格」やCiscoの「CCNA」、「オラクル認定Javaプログラマー」など特定の技術領域に特化した資格も存在します。
ただしIT資格に関する資格なら何を取得しても有効なわけではありません。目指す職種に適した資格を選んで取得する必要があります。そのためまずは、自身が目指したい職種を明確にすることが資格選びにとって重要なわけです。
適切に資格選びができれば、IT業界への転職を有利に進められる可能性がありますので、ぜひ取得を検討してみましょう。
当メディアでは以下の記事でIT業界に関連する資格を、詳しく紹介しています。
IT分野の資格取得を検討する場合にはぜひご活用ください。
オンライン面接のトレーニング
転職活動の事前準備として、オンライン面接のトレーニングはぜひとも取り組んでおくべきです。
リモートワークが一般的になっているIT業界においては、採用活動もオンラインで実施するケースが多々あります。そのため転職活動を行ううえで、オンライン面接で良い印象を与えるコツを身に付けておくことは重要です。
最低限、以下の4点を意識しながら取り組みましょう。
機材・ネット環境のチェック安定したネット環境の確保や、カメラ・マイクなどの機材チェックを実施し、技術的なトラブルを未然に防ぐことが大切です。
背景背景は無地に近いシンプルな壁紙が無難です。あらかじめ自宅のどの位置で、面接に参加するか調整しておく必要があります。
目線カメラ目線が基本です。つい画面に映る面接官に目が行きがちですが、相手からはかなり目線が下になっているように見えてしまいます。カメラはパソコンならディスプレイの上部についているため、意識的にカメラに目を向けるように心がける必要があります。
コミュニケーションの取り方オンラインでは表情やボディランゲージが伝わりにくいため、少しオーバーなくらい明確なコミュニケーションを心掛ける必要があります。
この他にもオンライン面接においては留意すべき点が多いため、事前トレーニングが欠かせません。友人や家族に模擬面接をお願いし、率直なフィードバックをうけておくことをおすすめします。
また、費用はかかりますがココナラのようなスキルマーケットを利用して、現役の人事担当者に模擬面接を依頼するのもよいかもしれません。
画像引用元：ココナラ
仕事探しに適したサービスを紹介
この章では良い求人に巡り会うために、活用できるサービスを2種類紹介します。
求人サイト
求人サイトを利用すれば、職種や雇用形態、希望の勤務地、未経験を受け付けているかなど多様な条件で求人を絞り込めるため、自分に合った仕事を効率的に探せます。代表的な求人サイトをいくつか紹介します。
大手求人サイト
リクナビNEXT：リクルートが運営する知名度抜群の転職・求人サイト。2024年1月現在の求人数は約10万件。毎週水、金曜日に求人が更新される。
doda（デューダ）: 国内最大級の求人数を誇る求人サイト。2024年1月現在の求人数は22万件。毎週月、木曜日に求人が更新される。
Indeed（インディード）: 世界最大の求人サイトで、日本のみならず多くの国で利用されている。職種と勤務地を主軸として国内外の求人探しができる。
転職エージェント
転職活動の専門家であるエージェントの力を借りて仕事を探す方法もあります。さまざまな業界の採用動向を捉えたうえで、あなたのニーズに合致する求人を探してくれるのが特徴です。
また転職エージェントは仕事探しに留まらず、履歴書添削や模擬面接など転職活動全般のサポートを実施してくれます。そのため自力で転職活動を進めるよりもはるかに効率的です。
ここでは大手転職エージェントサービスを3種類紹介します。
大手転職エージェントサービス
リクルートエージェント：リクルートが運営する国内最大手、保有求人最多のエージェントサービス。対応エリアも広く、全国どこで働く場合にも活用できる。
doda(デューダ)：転職エージェントサービスとしては業界2位の求人保有数。転職エージェント・転職サイト・スカウトサービスが一体化されており利便性が高い。
マイナビエージェント：大手サービスの中では求人数がやや少なめだが、サポートの手厚さが魅力の転職エージェントサービス。
まとめ
この記事では「安定した業界」を7種類に厳選して紹介しました。
安定している業界には以下のような特徴があります。
- 給料が安定しており昇給の機会もある
- 社会的な変化に強く安定して需要がある
- 将来に役立つスキルを磨ける
- プライベートを大切にできる
社会の性急な変化により多くの業界・職種で将来性が危ぶまれるなか、上記のような特徴を持つ「安定した業界」への就職は、非常に魅力的に感じられるかもしれません。
ただし人気の業界のため、競争が激しかったり取得必須の資格があったりと、就職のハードルが高い傾向にあります。
一方でIT業界は安定している業界ながら人材不足の傾向が強く、未経験者や文系出身者、女性などさまざまな立場の人が、チャレンジしやすい環境が整っています。ただし、何の準備もなくIT業界へのキャリアチェンジを果たせるほど甘くはありません。
実際に転職を成功させるためには綿密な事前準備が必要です。働きたい職種を定めたうえで、ITスキルを習得したり資格を取得したりすることで、転職の確率を高められます。
もしIT業界へのキャリアチェンジを視野に入れる場合には、参考にしてみてくださいね。
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