源泉徴収という言葉を耳にしたことがあるけれど、
- 「いくら払えば良いのか分からない。」
- 「そもそも払う必要があるのか分からない。」
という方は多いのではないでしょうか？
源泉徴収について詳しく知らない方は税金を払いすぎているかもしれません。
この記事では税金を支払いすぎないように、下記3パターンの源泉徴収について紹介していきます。
- 会社員
- フリーランスや個人事業主
- 副業者
- 源泉徴収について
- 会社員・個人事業主・副業者それぞれの源泉徴収税額
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目次
源泉徴収とは？
源泉徴収とは確実に所得税を回収するための制度です。国税庁による源泉徴収税の説明文を以下に記載します。
給与、報酬などの特定の所得の支払者が、その所得の支払をする際に、所定の方法により所得税額を計算し、支払金額からその所得税額を差し引いて国に納付する制度を、「源泉徴収制度」といいます。
引用：源泉所得税｜国税庁
源泉徴収税額の計算方法
源泉徴収税額は働き方や業務内容によって変わります。
この記事では「会社員、フリーランス、副業者」の3パターンをそれぞれ解説します。
1.会社員の源泉徴収税額
会社員の源泉徴収額は非課税所得(交通費など)を除いた給与総支給額から社会保険料を控除した金額と扶養人数を元に算出されます。
具体的な金額は毎年国税庁が公表している「源泉徴収税額表」に記載されている額になります。
参考として令和3年度の源泉徴収税額表を記載します。
例として、以下条件の源泉徴収税額を確認します。
- 雇用形態：正社員
- 不要人数：2人
- 社会保険料控除後の給与額：45万円
条件に応じて計算すると下記のように算出されます。
- 甲の場合：14,200円
- 乙の場合：118,700円
甲乙の違いは勤務先に「給与所得者の扶養控除等（異動）申告書」を提出しているかどうかです。
提出している場合は甲を、していない場合は乙を参照します。
会社員の方は書類を一つ提出しているかどうかで支払うべき税金の額が大きく変わるので、必ず確認しましょう。
2.フリーランスや個人事業主の源泉徴収税額
フリーランスや個人事業主の方が源泉徴収税額について知っておくべきポイントは下記の3つです。
- 源泉徴収対象の対象となる業務内容
- 源泉徴収額
- 税金の還付
それぞれ順番に紹介していきます。
源泉徴収対象の対象となる業務内容
源泉徴収対象は報酬を受け取る者が個人か法人かで異なるので、それぞれ紹介します。
報酬の受け取りが個人の場合
- 原稿料や講演料など
- 弁護士、公認会計士、司法書士等の特定の資格を持つ人などに支払う報酬・料金
- 社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬
- プロ野球選手、プロサッカーの選手や外交員などに支払う報酬・料金
- 映画、演劇その他芸能の出演等の報酬・料金や芸能プロダクションを営む個人に支払う報酬・料金
- バンケットホステス・コンパニオンやバー、キャバレーなどに勤めるホステスなどに支払う報酬・料金
- プロ野球選手の契約金など、役務の提供を約することにより一時に支払う契約金
- 広告宣伝のための賞金や馬主に支払う競馬の賞金
報酬の受け取りが法人の場合
馬主である法人に支払う競馬の賞金
上記の業務に当てはまる場合は、源泉徴収税額を引いた額を請求しましょう。
源泉徴収税額
フリーランスや個人事業主の方は、復興特別消費税と合わせた税率10.21%の所得税が源泉徴収されます。
報酬に消費税が含まれている場合と含まれていない場合で徴収の対象となる金額を変更することができます。
報酬が110,000円の場合の具体例をそれぞれ示します。
報酬が税込110,000円の源泉徴収額
源泉徴収税額 = 110,000円 × 10. 21% = 11,231円
報酬が100,000 + 消費税10,00円の源泉徴収額
源泉徴収税額 = 100,000円 × 10. 21% = 10,210円
一見請求の仕方次第で支払う税金が異なるように感じるかもしれません。
しかし、源泉徴収は所得税を事前に支払う制度なので、確定申告をした場合最終的に支払う税金は同じになります。
所得税を多く払いすぎている場合は還付され、所得税が足りない場合は追加で支払う必要があります。
では次に、払いすぎた税金を払い戻す方法を紹介します。
税金の還付
下記の状態になった場合は税金を払いすぎているため、還付金を受け取ることができます。
（所得税額＋復興特別所得税額）＜（源泉徴収税額＋予定納税額）
※予定納税額とは前年に一定額以上の所得税、復興特別所得税を納めた場合に、その年分の所得税、復興特別所得税の概算金額を前もって7月と11月に分割して納める制度です。
実際に還付金を受け取れる例を紹介します。
収入等の条件は下記とします。
- 収入：300万円
- 必要経費：200万円
- 所得控除：70万円
- 源泉徴収額：30万円
この条件の場合課税される所得金額は30万円（収入300万円 − 経費200万円 − 控除額70万円）となります。
所得税の税率｜国税庁の所得税の速算表を参考にすると、課税される所得金額が30万円の場合の税率は5%です。
したがって、1万5千円が納めるべき所得税となります。
| 課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
| 195万円未満 | 5% | 0円 |
| 195万円以上 330万未満 | 10% | 9万7,500円 |
| 330万円以上 695万円未満 | 20% | 42万7,500円 |
| 695万円以上 900万円未満 | 23% | 63万6,000円 |
| 900万円以上 1,800万円未満 | 33% | 153万6,000円 |
| 1,800万円以上 4,000万円未満 | 40% | 279万6,000円 |
| 4,000万円以上 | 45% | 479万6,000円 |
この場合、源泉徴収制度によって30万円所得税を納めているので、1万5千円との差額28万5千円を還付金として受け取ることができます。
還付申告は確定申告の場合は同時に行われるので特別必要な手順はありません。
開業届を出していないフリーランスの方は、確定申告の義務がないとはいえ申告をしないと思わぬ損失をする可能性があります。
3.副業者の源泉徴収税額
副業の場合は内容に応じて源泉徴収額が異なります。
3-1.副業が給与所得（アルバイト・パート等）の源泉徴収
副業が給与所得の場合は、源泉徴収額を「1.会社員の源泉徴収税額」で紹介した源泉徴収税額表をもとに算出します。
源泉徴収税額表には「甲欄」と「乙欄」があります。副業の場合は乙欄を見て所得税を算出します。
複数の会社から給与をもらっている場合は「給与所得者の扶養控除等（異動）申告書」を提出している会社を本業と判断します。
3-2.副業が事業所得や雑所得の源泉徴収
副業が事業所得や雑所得の場合は、源泉徴収額を「2.フリーランスや個人事業主の源泉徴収税額」で紹介した計算方法と同様に「支払金額×10.21％」で算出します。
3-3.副業が不動産所得の源泉徴収
副業が不動産所得の場合は、源泉徴収の対象ではないため源泉徴収は不要です。
3-4.副業が株取引の源泉徴収
副業が株取引の場合は、既に証券会社から源泉徴収されているか自分で申告するため源泉徴収の必要はありません。
株の売買で得た利益は譲渡所得に分類されるため、税率は一律15％と決まっています。
まとめ
源泉徴収税額は働き方によって計算方法が変わってきます。
この記事では働き方に応じた源泉徴収税額の違いを紹介しました。
会社員の方は「1.会社員の源泉徴収税額」をご覧ください。
個人事業主やフリーランスの方は「2.フリーランスや個人事業主の源泉徴収税額」をご覧ください。
副業者の方は「3.副業者の源泉徴収税額」をご覧ください。
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