「現場で学べばなんとかなる」と思っていた。でも気づいたら、自分が何を知っていて何を知らないのかさえ、わからなくなっていた。
30歳でSES企業にエンジニアとして飛び込んだものの、会社の目的は案件先にエンジニアを送り込むことで、技術を体系的に教えてもらえる環境ではなかった。そんな中で転職活動に踏み出し、ITコンサルタントとして年収が200万円アップした今、学んで変わったのはスキルだけではなかったと振り返る。
独学に行き詰まっていたSESの日々
──当時の職場は、どんな環境でしたか?
30歳でSES企業に入社して、エンジニアとしてのキャリアをスタートしたんですが、いわゆるブラック会社でした。
会社の目的は案件先にエンジニアを入れること、それが最優先で。面談練習や、コードを少し触る練習はさせてもらいましたが、技術を教えるプロに体系立てて教わったわけじゃないし、自分が正しい知識を身につけられているのかも判断できない状況でした。
──そんな中で、どんなことにモヤモヤを感じていましたか?
IT技術を独学で勉強しようとしていたんですが、だんだん行き詰まってきて。それなのに会社からは後輩の指導を任されるようになって。自分でも正しいかどうかわからないことを、後輩に間違って教えてしまうんじゃないかって、すごく不安でした。
──それでも、スクールに通うとか、外でちゃんと学ぼうとは思わなかったんですか?
「現場で学べばなんとかなると思っていた」から、ですね。でも現場では体系的には教えてもらえない。わかっていたのかもしれないけれど、そこに踏み込めていなかったと思います。
チーム制作と、頭にスッと入ってくる感覚
──それでも、プログラミングを本格的に学んでみようと決めたのはなぜですか?
将来の選択肢を増やしたかったからです。SESでうまくいかなくても、ホームページを作れるようになれば別の道もある。選択肢が増えるだけで、行き詰まったときに気持ちが少し楽になれると思って。
──実際に学んでみて、印象に残っている出来事はありましたか?
クラスの皆さんとチームで制作できたことが一番大きかったです。1人でやっていると、悩んでいる時間がどんどん長くなってしまうんですよね。でも相談しながらだと、同じことがすぐ決まることが多くて。最後にホームページが完成したときは、本当に嬉しかったです。
──そういった学び方の中で、「現場で学べばなんとかなる」という気持ちはどう変わりましたか?
現場で、初手から完成形がわからないものに手をつけるのって、難易度が高すぎたんだと気づきました。ここでは一個ずつ難易度を上げていってくれるので、ちゃんと着いていけたんです。わかりやすかった、というのもありますし、皆さんに教わると頭にスッと入ってくるんですよね。不思議なんですが(笑)。「現場で学べばなんとかなる」じゃなくて、学ぶ環境って大事なんだなと、身をもって感じました。
──ホームページ制作だけでなく、アプリの開発にも挑戦されたんですよね?
そうなんです。もともとはホームページを作れるようになりたくて入学したんですが、学んでみたら本当に頭にスッと入ってきて。もっと学びたいという気持ちが強くなって、アプリ開発のコースも追加で受講することにしました。転職活動でアピールしたのは、そのとき一人で作り上げたアプリのことです。
ITコンサルへの転職と、新幹線で帰省するようになった日常
──転職後、仕事の状況はどう変わりましたか?
SESの5次請けから、ITコンサルタントに転職して、年収が200万円アップしました。ただ、当時のSESの3次請けから、同じ業務内容のままで年収200万円アップするという引き抜きの話も来ていたので、本当にブラックだっただけですね(笑)。
転職活動では、一人称でアプリを作り上げたことと、スクールに通ったことをアピールポイントにさせてもらいました。とにかく、当時の状況から抜け出せる勇気が持てたのは、スクールのおかげだと思っています。
周りの皆さんがちゃんとしたエンジニアの会社に勤めていることを知れて、当時の自分の状況に疑問を持つことができたので。
──日常の中で、以前と変わったなと感じる場面はありますか?
お金の心配が減ったので、ちょっとした贅沢への罪悪感が減りました。1人のときは静岡まで帰省するのにバスを使っていたんですが、新幹線を使うようになりましたね。
──これから挑戦したいことを教えてください。
時間や場所にとらわれない働き方ができるように、さらに選択肢を増やせるように、ITの知見を増やしていきたいです。