夜勤がなければ、収入を上げられない。子どもが生まれてから、そのことが頭を離れなかった。産後2ヶ月の育休中、助産師として培ってきたキャリアとは全く違う道にふみ出した。学んでいく中で出会ったのは、新しいスキルだけではなかった。わからないことを「わからない」と言える場所が、学びを続ける力になっていった。
夜勤がないと稼げない。育休中に感じた焦りと不安
──助産師4年目で育休に入られたとのことですが、当時はどんな毎日を過ごしていましたか?
産後2ヶ月で、慣れない育児に追われながらほとんどの時間を家で過ごしていました。仕事からも離れていて、なんとなく「この時間を何かに使えないか」という気持ちがあって。このまま何もしないで復職するのもなぁ、と思い始めていました。
──育休というタイミングで新しいことに挑戦しようと思ったのは、どんなきっかけがあったのでしょう?
助産師として収入を上げようとすると、夜勤が欠かせないんです。でも子どもが生まれてから、この働き方をずっと続けていくのは難しいな、と感じるようになっていました。家族との時間を大切にしながら収入も上げたい。そう思ったときに、在宅でできる仕事を探し始めたのが最初のきっかけです。
「せっかく取った資格なのだから」という思い込み
──実際に動き出すまでに、葛藤はありましたか?
「せっかく大学まで行って取った資格なのだから、この仕事を続けるべき」という気持ちが、ずっとどこかにあったんです。全く畑違いの分野にお金をかけて挑戦することにも、正直抵抗がありました。
──いちど選んだレールから外れることへの、もったいなさみたいな感覚ですね。
そうなんです。でも今思うと、その思い込みが選択肢を狭めていたんだと感じます。続けることが正解、という固定観念みたいなものが、自分の中にあったんだと思います。
「難しい!」を言い合える場所が、前に進む力になった
──実際に学び始めてみて、印象に残っていることはありますか?
難しい課題にぶつかったとき、クラスのチャットで仲間と「難しい!」って言い合いながら乗り越えたことが、すごく記憶に残っています。経歴はさまざまでも、ほとんどが未経験の人たちだったので、わからないことを素直に質問し合い、助け合って学べたことが印象的でした。
──医療職と全く違う分野で、一から学ぶのは大変だったと思います。学んでいくなかで、考え方が変わった瞬間はありましたか?
全く新しい分野だったからこそ、わからないことを素直に相談できるようになりました。最初は質問することにも遠慮があったんですが、一人で悩んでいるより、聞いて理解して次に進む方が成長につながると実感していって。そこが一番変わったところかもしれません。
本業を続けながら、副収入と新しいキャリアの軸を得た
──現在はどんな変化がありましたか?
本業の医療職を続けながら、Web制作会社にアルバイトとして採用していただいて、月5万円ほどの副収入を得ています。今はコーディングやWebアプリ開発など、幅広く実務経験を積んでいるところです。
──スキルや収入以外で、自分が変わったと感じることはありますか?
隙間時間をダラダラ過ごすのではなく、15分単位でも仕事に向き合えるようになりました。AIをうまく活用することで、未経験のことでも「まずはやってみよう」と挑戦できる気持ちが強くなったのも、大きな変化だと思っています。
──これからはどんな方向を目指していますか?
今の会社で実務経験を積みながら、フロントエンドの実務も理解したプロジェクトマネージャーを目指したいと思っています。将来的にはフルリモート、フルフレックスの正社員として、自宅で仕事をしながら家庭や育児にも余裕を持てる生活を実現したいです。